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アステラス製薬(旧藤沢薬品工業株式会社)男女賃金差別裁判

またまた、働く女性にとってグッドニュースが入りました。
アステラス製薬(旧藤沢薬品工業株式会社)男女賃金差別裁判の仙頭史子さんの裁判が、
5年前に提訴した同じ日である3月27日に大阪地裁で和解が成立しました。
和解条項は

1.被告において、原告の処遇と同期同学歴の男性との格差が存したことを認める
2.解決金2500万円を払う
3.被告は、従業員の処遇について、今後とも男女の性別を理由とする差別が生じない
 ようにし、原告を含む従業員の今後の処遇について、誠実に対応する。

判決をもらうべきだとの意見もあったそうですが、結審前に、これは判決以上の水準なので、ちょっと名残惜しい気もするが、和解したそうです。
関西圏では住友系の男女賃金差別事件の後、今年に入り京ガス・アステラ製薬と和解勝利を勝ち取り、WWNの草の根的な支援があったればこその勝利です。
今現在提訴中の原告たちにとって、何よりの嬉しいニュースです。

しかし、均等法以前に入社した女性たちは、裁判も出来ず悔しい思いをし、ほんの一握りの人が勇気を持って闘いを挑み、後に続く女性たちのためにも頑張っております。
裁判とは、体力的にも精神的にも経済的にも大いなるエネルギーの消耗です。
被告会社の本当に人を貶める、くだらない事にも一々反論していかなければなりません。
でも、原告たちは長い間の差別の悔しさだけで闘いに挑戦しております。
皆さんの応援が力になります。是非ご支援お願いします。

仙頭史子さんのホームページ
http://www003.upp.so-net.ne.jp/sentou/

京ガス、屋嘉比さん関連のホームページ
http://homepage3.nifty.com/hatarakujosei/kikansi/7kyougasu.html
by chakochan20 | 2007-03-28 12:14 | ニュース(155)

兼松男女賃金差別裁判の結審

平成19年27日(火)午後4時 東京高等裁判所101号大法廷にて

兼松男女賃金差別裁判の結審を傍聴しました。傍聴者は大法廷に入りきれず、20人以上が外で待つという状態の中、私の代理人でもある弁護士、中野麻美先生が最終陳述をしました。

女性の賃金が男性の26歳にも満たないのは、女性の働き手としての 人格的価値を貶めるものであること、さらにこの差別は年金へも影響し、女性が生涯にわたって生着ていく経済的基盤において受ける差別であること。働き手であるすべての人にとって自分の労働が認められる「自尊」、自分には価値があるということが認められるのが公序であることを ロールズ(政治哲学や経済倫理学の基礎を築いた人)の理論から訴え、この事件は女性であるがゆえに「補助の烙印」という明白な差別の違法性を、「偽装されたコース制」で隠蔽しようとするものだと朗々と述べられました。

裁判長は「この事件は双方にとって大事な事件だから慎重に審理したい」として、判決の日は追って裁判所から連絡するということになりました。

あとの報告会で、「裁判しながら仕事と家庭を抱えた15年であった」こと、「弁護団も原告たちに鍛えられた」ことに触れたとき、あの気丈な中野先生が涙で絶句され、長く差別されてきた働く女性たちに対する先生の熱い思いに深い感動を覚えました。1日も早く良い判決が出ることを願っております。又、この裁判は後に続く女性たちのためにも、絶対に勝たねばならね事件です。

以下は麻美先生の意見陳述書です。

               意見陳述              

原判決は、本件賃金格差が女性に対する差別によって生じたことを認めている。この差別によってもたらされた格差は、女性の賃金がどれだけ勤務を重ねても27歳から26歳の男性の賃金を下回る水準に過ぎないことに象徴されるように、女性の働き手としての人格的価値を貶めるものであった。しかも、この格差は年を追うごとに拡大しており、長期にわたって働き続けてきた控訴人らにとって、越えることのできない男性の賃金年齢は、年を追うごとに低年齢化してきた。控訴人らは、生きていく経済的な基盤を差別によって否定されるという賃金差別によって、何にも耐えがたい屈辱を強いられてきた。
そして、この差別は、年金にも反映するという点で女性が生涯にわたって受けることになるという、生きる基盤における差別でもある。原判決は、控訴人らが採用されてから90年代に至る過去の違法ではない差別ゆえに今日に至る差別も違法ではないとするものであるが、これは、1997年以前に就職しなければならないような年代に女性として生まれた以上、差別を受入るよう宣言するに等しく、将来にわたって差別による不利益を耐え忍ぶことを強いるものである。会社は差別意図などない、格差は解消しているとして、社員の人員構成を示してみせているが、これがいかに事実を歪曲する主張立証であるかは、比較する母集団の恣意的な設定や事務職には女性しかいないこと、しかも均等法以前に入社して長年勤務を継続してきた女性はほとんど事務職に塩漬けされていることをみても明白である。


差別は法的にも人間としての尊厳を否定するものであるとされているが、これは単なる机上の理論ではなく、差別がフラストレーションや心理的葛藤を高めるものであること、行動や思考の自由を抑制し、自己評価を低め、人間としての当たり前の自信や誇り、生まれてきてよかったと思えるような自己肯定観を奪うものであることは社会共通の認識になっている。被控訴人会社が行ってきた賃金差別は、そうした性質を有するものであり、しかも被控訴人会社は、この差別を合理的なものであるとする弁解のために、控訴人らの仕事を「単なる補助」「取次ぎ」「インプット」に過ぎないものであるとして法廷における主張立証においてさらにその差別を上塗りした。このような訴訟態度こそ、糾弾されなければならない。


企業の効率的運営と当時の一般的な女性の就業実態という生の事実を根拠に男女差別を違法ではないとした原判決は、きわめて不当なものであり、わが国はもちろん、広く国際社会においても容認されるべきではない。原判決には、そもそも社会において追及しなければならない法的規範、社会的価値、そして経済社会において承認されるべき倫理が忘れられている。
政治哲学や経済倫理学の基礎を築いたロールズは、すべての人々に対して「自尊」または「自尊の社会的基礎」が配分されなければならないとしている。この自尊とは、自分には価値があるという感覚、自分が善いと考えることや人生についての自分の意志は実行するに値するという確信を意味するものであって、ロールズはこれを「最も重要な基本財」であるとした。働き手であるすべての人々にとって、自分の労働が公正に認められること、自分が役に立っているという確信を必要としているのであり、それは経済社会における公序を構成するというべきである。
公序を原判決のように裸の事実によって判断するのであれば、差別が強固なほど違法ではないという矛盾を犯すことになってしまうが、このようなことを法が容認できるものではない。


本件は、女性であるがゆえの低い賃金と、女性であるがゆえに労働に対して加えられた「補助の烙印」という明白な差別の違法性を、偽装されたコース制によって隠蔽しようとしたというものである。そして、労働関係の実態を前提にすれば本件コース制度が偽装されたものであることは明白である。既に国際社会においては隠れた差別を可視化して排除する制度を確立していた1980年代に、控訴人らが受けてきた可視化された明白な差別さえ違法と断罪できないとした原判決の誤りは明白である。女性差別撤廃の流れに棹差す判決を切に要望する次第である。
by chakochan20 | 2007-03-28 11:09 | 活動報告(65)

ワーキング・ウィメンズ・ネットワークのグッドニュース

ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWN)の同一価値労働同一賃金の研究・リサーチに対し、(財)倶進会からの助成審査に合格し、100万円が交付されることになりました。
やったね!
とても、嬉しいことです。
(財)倶進会の助成金は、1件、30万円から100万円ですが、今期、35件が決定したとのことです。
更に、ACW2のホットライン活動にも助成金が承認され100万円が助成されます。
働く女性たちにとって力強いグッドニュースで、共に喜ばしいことです。

早速、今夏、WWNの有志と昭和女子大学森ます美教授、中野麻美弁護士たちがが同一価値労働同一賃金の研究・リサーチのため、、ジュネーブのILO、国連と、イギリスの平等委員会を訪問します。
国際社会より、日本に外圧を加え、政府を動かさないとなかなか変わらないのが日本の現状です。
そうやって、住友系の男女賃金差別裁判では、裁判所を動かし、勝利を勝ち取ってきたのです。そういう地道な努力の先人達のお陰で、今の私たちの労働裁判があるのです。

同一価値労働同一賃金の実現、間接差別の禁止、男女間、正規・非正規間の賃金格差を大きく改善させる道が一歩でも前進することに期待します。
シンポジウムは、来年の2月か3月に、東京、名古屋、大阪、福岡にて開催予定とのことです。
こうご期待を!
by chakochan20 | 2007-03-25 22:38 | ニュース(155)

反論書

平成17年(ワ)第25285号
原告 中野布佐子
被告 株式会社朝日熱学
反 論 書
(07年2月28日付け被告会社意見書に対して)

                    2007年3月29日
東京地方裁判所民事第19部御中
                 原告訴訟代理人
                 弁護士 中 野 麻 美
                 弁護士 菅 沼 友 子
                 弁護士 秦   雅 子
                 弁護士 原 田 史 緒

2007年2月28日付けの「2007年1月31日付原告文書提出命令申立に対する被告会社意見書」に対し,以下のとおり反論する。

第1 文書①(全社員の出勤記録について)
1 引用文書であることについて
(1)すり替えの反論
不可思議なことに,被告会社の意見書1頁以下には,4頁にわたって自らの準備書面が貼り付けられているが,貼り付けられた準備書面は,原告が「引用」箇所として指摘した被告会社準備書面第5準備書面の11頁2)a)ではなく,被告会社第3準備書面のp1~3である。問題なのは,被告会社準備書面第5準備書面の該当箇所の前後の文脈であって,すり替えの議論である。
 
(2)第5準備書面における文脈
原告が引用箇所と指摘したのは第5準備書面の「第1 被告会社における人事考課と賃金」「5 原告の人事考課の結果」の項目で,冒頭
「原告の人事考課の結果は,上記の昇給及び賞与査定の結果が示すとおり,被告会社内でも低いグループに属する。この理由は主として以下のような人事考課上の評価に基づくものである。」(第5準備書面10頁)(下線は引用者)
とあり,その中で,引用箇所である
「2」 態度
a)原告の遅刻回数は,他の社員との比較でも顕著に多く,出退勤,休暇等の届け出等を所定通りに行っていない(被告会社第3準備書面p1~3)」
が続いている。
すなわち,上記の引用箇所は,原告に対する人事考課上の評価の理由に関する記述であるから,この引用箇所における「他の社員」が原告以外の在職中の社員全員を指すことは明らかである。「比較対象者4名」を指すというのでは,当時他の4名のみの出退勤を比較して人事評価を行っていたということになり,明らかに文脈に反する。
 さらに,同頁のd)「被告会社における外線着信電話は,経理部,総務部及び営業部の内勤者が受話器を取るのが原則的対応であり,これらの内勤者が不在あるいは手がふさがっている場合には,他の社員が電話対応することとなっていた。」との記載,同頁のe)「原告は,他の社員が在社している際には,勤務時間中に仕事をすることなく,自席で新聞を読むということはしていないが,他の社員が在社していない時など,仕事をしておらず・・・」との記載における,「他の社員」が,「比較対象者4名」を指すものではないことは明らかであろう。

 2 文書の必要性について
 被告会社は,比較対象の4社員についてのみ勤怠・遅刻・遅出について主張しているとするようであるが,問題となっているのは,被告会社における原告に対する「人事考課」の合理性の有無,すなわち賃金制度において出退勤が本当に原告に対するものと被告会社が主張するように反映されていたのか,という問題であって,4社員との比較という問題ではないことは明らかである。

第2 文書②~④(全社員の賃金台帳等)について
1 比較対象社員4名の資料のみでは足りないこと
 原告が問題としているのは,比較対象社員4名との賃金の差の理由として述べていることが事実かどうか,被告会社における賃金制度の運用の実態,であって,比較対象社員4名の資料のみでは足りないのは論理的に当然のことである。
 
 2 除斥期間は問題とならないこと
 被告会社は,除斥期間以前の資料を斟酌する必要性はないとするが,被告会社における賃金制度は,昇給管理で積み上げられ,過去の差別が現在の賃金差別に反映されており,過去の差別は現在の差別に関する重要な資料なのであるから,除斥期間以前の資料も現在の損害賠償請求の存否に関わる資料である。
                                       以上
by chakochan20 | 2007-03-24 22:53 | 裁判資料(41)

被告第13準備書面

被告第13準備書面
by chakochan20 | 2007-03-23 21:52 | 裁判資料(41)

男女同一価値労働同一報酬


by chakochan20
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