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ハワイでの結婚式と昭和シェル石油、野崎さんの判決

私事ですが、中野の姪がハワイ・ホノルルのキャルバリー・バイ・ザ・シー教会で結婚式を挙げることになり、親戚・友人一同、総勢16名プラス幼児2人で行ってきました。
カハラにある海の見える教会での結婚式は、ロケーションばっちりで、木造作りのシンプルな建物での厳かな式、美しい声の女性が歌うウェディングソングには、涙が溢れるほど感動しました。身内の私が誉めるのもなんですが、本当にチャーミングな姪なのです。牧師さんもお世辞抜きで綺麗な花嫁とナイスガイのお婿さんに心より祝福をしてくれました。

今回は結婚式中心だったので、何も予定を立てずのんびり過ごすつもりでしたが、早朝のダイヤモンドヘッド登山、ドリス・デュークの邸宅「シャングリラ」などを見てきました。爽やかな風吹き渡るダイヤモンドヘッド山頂から見るワイキキの街は、それはそれは絶景です。
ドリス・デュークの「シャングリラ」も高級住宅地カハラの美しい海岸沿いにあり、イスラム芸術のモザイクタイルや彫刻、骨董品、美術品など、目を奪うばかりの桃源郷です。

披露宴は私の友人のマンションで、彼のおいしい手料理でもてなして頂きました。彼は食通に愛された焼き鳥、麻布十番の「門扇」のこだわりの料理人、岩本一宏さんです。
6年前に店をたたみ、ご夫婦でハワイに移住しました。今は「モンセンケータリングサービス」で得意な腕を披露し、傍ら趣味の絵を描いております。
今年はホノルル美術館に出展し、入賞いたしました。丁度開催中であったので、彼と一緒に見に行ってきました。ワイキキの喧騒から離れ、歴史的建造物の美術館は、至る所に中庭を配置し、一時の清涼感を味わうことが出来ました。
もし、ハワイに行って岩本さんのお料理を味わってみたい方は下記ホームページを検索してみてください。
http://monsenhi.hp.infoseek.co.jp/

慣例のカノエ・ミラー(ハレクラニ)さんのフラも、樹齢100年を越すキアヴェの木の下、夕陽をバックにカクテルを飲みながら観賞しました。
元ミスハワイの彼女のフラは華麗なように見えますが、その実結構激しい動きです。私も最近フラを少しかじり始めましたので、興味深いものがありました。

6月のハワイは始めてだったのですが、日差しがとても強いわりには爽やかな風があり、冷房なしで過ごすことが出来、最高です。じめじめした日本の梅雨が嘘のようです。
何時の日かロングスティが出来ればと思いました。
何も予定をしていかなかった割には、充実したハワイを満喫してきました。

そんな留守中、昭和シェルの野崎さんの判決があり、ハワイにいても気になりました。時効ということで3年しか損害を認めてくれなかったので、一審より金額的には少なくなりましたが、年金・慰謝料・弁護士料などが認められ、年5分の利息を計算しても3000万円は下らないないだろうとのことです。勝利判決には違いありません。後に続くものとして、とても力強い判決で、喜ばしいことです。
以下昭和シェルの別件で提訴している12人の原告の一人柚木さんのコメントです。

「損害賠償金・慰謝料・弁護士費用2050万円(原審は4536万円)と遅延損害金を認め、遅延損害金以外の仮執行も認めました。

損害金が下がったのは消滅時効(原審では会社の主張なし)で提訴からまえの3年間しか損害を求めなかったことにあります。定年1年10ヶ月の提訴なので、 賃金等の差額は1年2ヶ月余りしか認定しなかったものの、退職金や企業年金、厚生年金等の2050万円となったのです。地裁判決は85年から92年5月の 退職時までで4536万円でした。

問題点は野崎さんが求め、東京地裁が認めた合併時の資格S2を、合併前の差別された資格と同資格の男(若い)の移行資格であるG1としたことです。そして 滞留年数の運用を認め、88年にはS3B,92年にはS3Aとしました。この結果退職時の賃金は9万円UPとしています。また合併前の昭和石油時代の性差 別について時代制約説で不法行為とまではいえないとしました。

それでも均等法は努力義務であっても実効性が期待された法律で、男女差別是正にむけ企業が努力すべきを、逆に差別を維持したことは不法行為として、住友電工事件の大阪地裁判決以来の均等法無効論について、異なる判断をしました。
あと厚生年金の損害も引き続き認めたことです。

野崎さんにとっては20年におよぶ和文タイプの職務を正当に評価されず、かつ不法行為でないとしたこと、合併時の格付けをG1としたことは到底納得できない点でした。

野崎さん側が予備的主張として、S2でなくてもS3Aであったらとかを一切主張しなかったので、差別は認めても損害額は不明と慰謝料だけしか認めない判決も懸念されたなかでは半分以上は勝ったというののが私の感想です。

更に昭和シェルで今も働く多くの高卒・短大卒女性にとって15年もの前に39万円の本給であるべきとの判決は、今も多くの女性がそこにも到達しない中では大きな意義のある判決で、会社にとっても嫌な判決であったと思います。」
                                       以上
しかし、案の定、被告会社は不服として7月11日最高裁に上告しました。
「会社は時間稼ぎをし、私が亡くなるのを待っているのよ」と野崎さんが口癖のように言っております。しかし、もしそのようなことがあったとしても、彼女の身内の方や代理人が引き継ぐでしょうから、会社にとっては長引けば長引くほど、弁護士料や賠償金が増えるだけなのに‥何を考えているのでしょう。
by chakochan20 | 2007-07-14 23:26 | 活動報告(65)

昭和シェル石油男女賃金差別事件 

東京高裁判決に対する原告並びに弁護団声明

1 2007年6月28日、提訴後14年3カ月を経て、ようやく、原告野崎光枝さんが訴えた昭和シェル石油株式会社の男女賃金差別事件の控訴審判決が東京高裁(第14民事部 西田美昭裁判長)で出された。2003年1月に出された一審・東京地裁判決は、被告会社に40年勤続して定年退職した野崎さんの訴えを、慰謝料の支払いを除いてほぼ全面的に認め、約4536万円を支払うよう会社に命じたが、控訴審では、会社側の主張を相当に採り入れ、消滅時効の主張を認め、認容額を約2050万円に減額した(元金のみ。遅延損害金を含めると約3000万円)。
高裁判決は評価すべき点もあるが、本件が、大手石油会社における組織的かつ悪質な性差別事件であること、そして、野崎さんが被った生涯における損害の大きさを鑑みるならば、控訴審判決は極めて不十分であると言わざるをえない。

2 高裁判決の評価すべき点は、以下の7点である。
(1)同学歴・同年齢の男女社員の中で、資格及び本給に著しい格差が存していた場合、合理的な理由が認められない限り、性の違いによるものと推認するのが相当であり、会社の制度上、いわゆる大量観察による方法論は不適切との会社の主張を退け、裁判において男女差別の有無が問題となったとき、立証の一つの方法として、大量観察の方法により行うことができると判断した点。
(2)1985年の合併に伴い、合併前の会社から新資格に移行させる際に、野崎さんを、同じ資格の男性全員よりも低い資格とし、その後も1段階昇格させただけに留めたことは、女性であるがゆえの賃金差別(労働基準法4条違反)であって、故意による不法行為であるとした点。
(3)1985年に成立し、1986年4月1日に施行された(改正前)雇用機会均等法8条では、事業主は、男女労働者の昇進における均等取扱いの努力義務が規定されており、この規定は、行政的措置が予定されており、「単なる訓示規定ではなく実効性のある規定である」から、「努力をなんら行わず、均等な取扱いが行われていない実態を積極的に維持すること、あるいは配置及び昇進について男女差別をさらに拡大するような措置をとることは、同条の趣旨に反するものであり、不法行為の成否についての違法性判断の基準とすべき雇用関係についての私法秩序には、上記のような同条の趣旨も含まれるというべきである」とした点。
(4)2001年に発覚した「職能資格滞留年数」という会社が秘密裏に作成した昇格管理基準(裏マニュアル)について、詳細な事実認定を行い、「サンプル調査の結果」との会社の主張を退け、合併(1985年)から少なくとも1993年までは、同様の基準で、昇進について女性を男性と「均等な取扱いしないことを積極的に維持していた」と判断し、1988年以降に野崎さんを昇格させず据え置いた点が違法であって不法行為にあたるとした点。
(5)合併後、会社は、野崎さんに対し、少なくとも2段階の昇格を目標とする措置を講じる努力をすべきであったと認め、退職時の野崎さんの本給額30万7970円を39万7760円に是正する内容で、月例賃金及び賞与の差額の損害賠償を会社が支払うことを命じた点。
(6)過去分及び将来の公的年金の差額分の損害について算定をして会社に支払を命じた点。
(7)経済的損害とは別に、慰謝料200万円の支払を会社に命じた点。

このうち、(3)の1997年改正前の均等法8条については、いわゆる努力義務規定であって、男女別取扱いは直ちに私法上違法とはならないなどと、私法上の効力を否定的に解する不当な判決が地裁レベルで続いていた。その中で、会社が、均等でない状態を是正する努力をなんら行わず、積極的に維持・拡大することは私法秩序に反し、違法であると明確に会社を断罪した点は、均等法制定の趣旨及び立法過程から、極めて当然の判断ではあるものの、画期的である。

3 他方、本件高裁判決には、極めて重大な問題点も持っている。
(1)合併時の1985年までの32年間の男女差別について、不法行為ではないと判断した点。
野崎さんは、一般事務職として職種の限定なく採用され、5年間、一般事務を担当した。ところが、その間に会社外で専門学校に通い、和文タイプの資格を取得していたところ、会社が野崎さんを和文タイプ業務に配転し、以後野崎さんは約21年間、和文タイプ業務に専従させられた。この和文タイプの業務について、控訴審判決は、「習熟するまでに一定の時間と努力を要するが、それを取得した後は、集中力、注意力の維持は必要であるが、職務遂行の困難度は高くない」などとジェンダーバイアスに満ちた判断を行ったうえ、会社が「特殊職」と位置づけていた、その後の英文タイプ、国際テレックス、コンピュータ端末入力、パソコンによるデータ伝送等の業務も本質的には相違しない、などと認定して、男性と「同価値の仕事」をしていたとは言えず、「その当時の我が国における一般的な」男女間の賃金格差等を総合すると、1985(昭和60)年の会社合併までの会社の賃金・資格格差は不法行為とまでは言えないとしたのである。
(2)資格の是正が極めて不十分である点。
高裁判決は、合併時、野崎さんがD2という低い資格に格付けられていたことを前提に、同じ資格の男性は全員合併の際にG1となったことから、これより下に格付けることは違法であるという理由で、是正すべき資格をG1とした。しかし、合併前にD2に格付けられていた男性社員は20代の若年者であり、合併時、勤続32年となり、「時代に応じて自ら技術を身につけ、それによって業務を行い、会社に貢献をした」野崎さんを合併時、20代の男性と同じようにG1に格付けるというのは、それ自体が差別である。
高裁判決も認定しているとおり、国際テレックス専任であった男性社員と野崎さんとは、「同じような仕事」を担当しており、国際テレックス専任の男性社員の「格付けが高すぎるという証拠はない」のであるから、野崎さんの資格を、この国際テレックス専任の男性と同じS2に格付けるべきだったのである。
(3)賃金決定の手段にすぎない本件会社の職能資格等級の決定について、労働基準法4条の問題ではないと読めるような曖昧な判断をした点。
高裁判決は、「職能資格等級の格付けは、賃金の額に直結する問題ではある」とは認めているにもかかわらず、「職務、能力、勤務態度、責任等の定常的な評価の結果の反映の意味もある」と述べ、「評価に基づく職能資格等級の格上げ、据置等の取扱いは、直ちに労働基準法所定の賃金についての取扱いといえるわけではなく」「均等法8条所定の労働者の昇進についての取扱いに当たる」とした。
しかし、本件では、会社の合併の前後を通じ、男性社員は、全く同じ仕事を20数年間ないし30年間変わらず担当していても、一定の年数が経過すると昇格し、賃金が増加している事実が認定されている。本件会社において、職能資格等級は、職務と全く関連しておらず、賃金を増加させるための手段にすぎないという点を本件高裁判決は看過しているのである。
本件高裁判決では、会社が職能資格等級制度のもと、滞留年数を男女別に設定していたことが認定されている。したがって、本件はまさに男女別賃金表を設定していたに等しい事案であって、この職能資格等級の昇格が、改正前雇用機会均等法8条所定の「昇進」についての取扱いに当たると解することには相当の無理がある。本件においては、端的に労働基準法4条違反と判断すべきであったのである。
(4)会社の消滅時効の援用を認めた点。
本件事案は、会社が、組織的かつ意図的に女性の資格を据え置き、合併時、女性を著しく不利益に取り扱い、合併後は「職能資格滞留年数」なる裏マニュアルを周知させて男性と比べ、資格及び賃金において差別をしてきたという事案である。このような事案において、女性労働者は、差別を受けているとは感じても、性差別による「損害」を具体的に知ることはできない。
また、労働基準法4条及び均等法8条の趣旨に反する不法行為を秘密裏かつ継続的におこなってきた大企業が、控訴審に至り、消滅時効の援用をすることは信義則に反し、権利濫用というべきである。

4 原告並びに弁護団は、この高裁判決の重大な誤りを正し、憲法14条が規定する男女の法の下の平等原則から導かれる公序にかなった解決をすることを求めて、本日、上告及び上告受理申立てをした。
昭和シェル石油及び日本社会における性差別をなくすため、本事件に関心を寄せてくださった多くの皆さんと共に、今後とも努力を続ける決意である。

                 2007年7月12日

原 告   野  崎  光  枝
弁護士  中  島  通  子
      中  野  麻  美
      菅  沼  友  子
      古  田  典  子 
by chakochan20 | 2007-07-14 23:15 | 活動報告(65)

労働委員会議員のロビー活動と厚生労働省の労働契約法審議傍聴

ACW2で労働契約法に関し、労働委員会議員70人に対しロビー活動を当初京ガスの屋嘉比さん一人で開始しましたが、応援を求められ6月11日、まだ労働問題1年生の私もお手伝いをし、衆議院議員会館、参議院議員会館を廻りました。
月曜日だったので議員さんたちは地元に帰っており、秘書さんたちの応対でした。
ただ若くて綺麗どころの秘書と、実力ある有能な秘書と二極化に別れており、面白いと思いました。
比例代表で本人自身も議員に受かると思っていなかった若手の議員の秘書など、世の中の何たるかも解っていないようなぴあぴあ女性でした。
自分が政治の世界の新人ならば、ベテランの秘書を配置し、アドバイスを受けるくらいの熱心さがあっても良いのでは?
その秘書の対応如何によって、議員の技量も少なからず推測されます。
彼らの給料は国民の税金で賄われているのです。

6月13日の国会の審議会でも、野党議員欠席の中で、与党議員さんたちは野次を飛ばす事は勿論、議会中の部屋を出たり入ったり、私語、新聞、携帯メール、パソコン、居眠りなどなど。国民の手本とならなければならに有識者のすることでしょうか、情けなく思います。
そして、何故野党議員も審議に出席しないのでしょうか。ボイコットなどは大人気ない行為であり、幾ら民主主義の多数決で決議されてしまうとはいえ、参加し意思表明を示さなければ、いつまでたっても何も変りません。
審議会事態も事前に文書での質問事項を問うているので、当然回答なども解りきったものしか出てこないので、茶番劇を見ているようなものです。
政治は料亭などの会食で決まってしまうのでしょうか。
それでも、諦めず一人一人が政治に参加しなければ、住みよい日本にはなりません。
本当に庶民のために働いてくれる政治家を選出するためにも、皆さん選挙に行きましょう。
by chakochan20 | 2007-06-13 18:51 | 活動報告(65)

ユニオンアクション

5月24日は東京ユニオンアクッションとして、2つの抗議行動に参加しました。
一つは東京ケーブルビジョンの支部長雇い止め不当解雇、理事会が開かれている京王プラザ前で、もう一つは東京カトリック大司教区の職員不当解雇で四谷駅前での宣伝行動です。
マイクでの抗議文声明やチラシ配布などをしますが、女性差別問題ですので読んでくださいと呼びかけても、若い女性は無視して誰一人として受け取ってくれません。
私たち均等法以前に入社した女性たちはさまざまな差別を受け、悔しい思いをたくさんしてきました。今の社会は本当に差別など無くなって来ているのだろうか、それとも彼女たちの差別されていると言う意識が低いのだろうか。
ユニオンやACW2のホットラインの相談では、さまざまな問題が起こっているのに、この差は何なのだろう。いつ何時自分たちの身にも起こりえることだし、自立していなければ、夫からのDVなどが起きても逃げることも出来ない現実があるというのに‥。

大手99社の今夏のボーナスが至上最高額と言うが、その大会社でも、正社員より派遣やパートが多く、その恩恵にあずかれるものは少数派であります。
経営者になれるものは極々少数者、多少恩恵にあずかれる幹部社員も選ばれたものだけ、大多数の労働者は給料も上がらず、景気回復といっても実感性がありません。

ユニオンの抗議行動は、慣れないうちは多少戸惑いもありましたが、何度か経験をすると面白いものです。大いに楽しみましたが、日差しの強い日は日焼け対策もばっちりとしないと無残な結果になります。私もそろそろ、朝日熱学前での抗議行動を計画しなければと思う今日この頃です。

労働組合東京ユニオン組員 中野布佐子
by chakochan20 | 2007-05-25 16:00 | 活動報告(65)

パート・サポート市民会議5.15院内集会

今、参議院厚生労働委員会が開かれており、その昼休みを利用し、パート労働者の均等待遇法制化をめざし、衆議院議員会館で院内集会が行われました。
民主党からは厚生労働委員会理事の津田弥太郎氏はじめ辻泰弘氏、柳澤光美氏、円より子氏、櫻井充氏、社民党は福島みずほ党首などの議員さんを迎え、世話人の中野麻美弁護士司会で 、先生方の熱い思いを語っていただきました。
しかし、与党は企業からの政治献金等で、経営者寄りであり、労働者にとっては働きやすい法案など通すはずもなく、多勢に無勢のごとく、法案は多数決で決まってしまうので、壁はなかなか厚い。
現場の声としてACW2の伊藤みどりさんと均等待遇アクション21の酒井さんの発言がありましたが、やはり、パートの人たちが、自らこのような集会に出席し発言して、法律を変えるよう努力していかなければ、この状況は少しも良くなりません。
時間がかかろうとも一歩一歩前進あるのみ。


「すべてのパートタイム労働者への均等待遇の法制化を求める緊急宣言」

社会的格差の是正が大きな関心となるなか、パートタイム労働者に対する格差是正が重要な課題となっています。わが国には、約1205万人(2006年平均)のパートタイム労働者が存在しますが、少子高齢化の進展、就業構造の変化等をかんがえれば、今後ますます増加していくことは確実です。
 しかし、パートタイマーは、いわゆる基幹労働力化がすすんできた反面、不安定な雇用や、自立して生きることなどとても不可能な低賃金に象徴される低労働条件が身分のように固定化されてきました。たとえば、男性一般労働者の給与水準を100として場合、男性パートタイマーは52.5、女性パートタイマーハ46.2となっています(2005年)。このような状態を改善するために、実効性のあるパートタイム労働法を制定することが緊要の課題となっています。既に、ヨーロッパ諸国では、パートタイム労働者であることを理由とする差別を禁止する法律が制定されています。わが国では、1993年に制定されたパートタイム労働法の一部改正法案(以下、法案)が今国会に提出されています。
 法案において、パートタイム(短時間)労働者に対する差別禁止の規定が新設されたことは、大きな前進ですが、そのための条件が余りにも厳しく限定されています。すなわち、パートタイム労働者に通常の労働者との均等待遇原則が適用されるためには、職務内容が同一であるだけでなく、期間の定めのないこと、雇用関係が終了するまでの全期間において、職務内容及び配置の変更が通常の労働者と同一の範囲で予定されることが必要とされています。このため、期間の定めのある労働契約を締結しさえすれば、賃金をはじめとする労働条件差別をしても許容されることになりますし、配置につき、通常の労働者との間にわずかな差を設ければ、やはりパートタイム労働者に対する差別が成立しないことになります。法案の基準を満たすパートタイム労働者は、全体のわずか4パーセント程度とみられており、法案の実効性に疑問があるばかりではなく、期間の定めのある労働契約に転換するなど、事業主に対応によっては、かえって通常の労働者との格差を拡大する危険性さえ強く懸念されます。
 私たちは、21世紀の労働と生活を人たるに値するものとするため、すべてのパートタイム労働者に対する完全な平等原則を適用する法律の制定を求めます。短時間労働者に対する差別の完全な撤廃は、過労自殺・過労死に追いやられるような長時間労働者に曝されている「正規」雇用労働者に仕事と生活の調和を実現していくうえでも不可欠であることに留意し、個々に政府法案の抜本的な見直しを要求します。
2007年4月9日

「パート労働者に公正な処遇を!」市民会議(略称:パート・サポート市民会議)
代表世話人  山本 博(弁護士)
世話人     中島 通子(弁護士)
同       中野 麻美(弁護士)
同       樋口 恵子(東京家政大学名誉教授)
同       山田 省三(中央大学法科大学院教授)


ご賛同の方はご署名のほど、是非お願いします。
(1)電子メールの場合:件名に「緊急宣言賛同署名」、本文に「お名前」 「氏名公表の可否」(お差し支えなければ)「ご所属」「都道府県名」を記載の上、下記宛送信して下さい。
e-mail  part@part-supporter.jp
(2)送付先:パート・サポート市民会議 事務局
(3)FAXの場合:03-5295-8896
by chakochan20 | 2007-05-16 13:14 | 活動報告(65)

労働契約法の院内集会

4月25日、衆議院議員会館にて契約労働法改正に対する院内集会が行われました。
本日の院内集会は、北海道、大阪、名古屋からも参加があり、ACW2会員など36名、小宮山洋子議員、郡和子議員及び福島瑞穂議員秘書等7名、厚生労働省 労働基準局監督課 係長 計43名の参加でした。

集会は、労働契約法制、パート労働法に対して、現場で働く女性たち7名の発言を次々に行いました。私も被告会社朝日熱学の就業規則不利益変更の実態を陳述しました。

今度の国会では、労働契約法の審議が見送られる予想が強いのですが、油断はできないとのことで、審議に先駆けて又このような議員さんたちとの意見交換の院内集会や7月の参議院選挙に向け、厚生労働委員の議員さんたちの意識調査のアンケートを実施することを決定しました。

以下は中野の就業規則に関しての陳述書です。

      朝日熱学における「就業規則不利益変更に関する陳述書」

朝日熱学は、30年正社員として勤務し、定年退職した社員に対し、一銭の現金支給の退職金が支払われません。
なぜならば、厚生年金の任意加入の加算年金と相殺されるからです。
年金の保険料は基礎の部分を会社と本人が1/2ずつ支払い、任意加入の加算年金は本来ならば、会社が72%、本人が28%の支払となります。
しかし、その保険料を会社が全額支払っていたから、その分は会社のものだから、それを退職金として充当しますとのことです。
加算年金加入の会社かどうかを総務に尋ねても、担当上司は「誰がそんなことを聞いてくるのだ」と一喝して教えてはくれません。社員には内緒で掛けているのです。
確かにそれらしきことは就業規則に書いてあるのですが、その就業規則変更時にも、一切社員には知らされません。
労働基準監督署に届ける就業規則の労働者代表は、黙って判を押す人を会社が名指しして、印を押させ、提出しております。社員は労働者代表が社員の選出によって選ばれなければならないと言うことさえ知りませんし、労働者代表が誰なのかも知りません。
従って、労働者にとって不利益変更が次々と書き換えられております。
会社がいくら不当労働行為をしても、それに異議を唱えると言うことは、即首と言うことです。

就業規定の賃金データなるものも、「別表」で示され、社員は見ることさえ適いません。
私の賃金も過去18年に渡り誤魔化され続けたことを退職後知り、是正をもとめましたが、法的には時効があり、2年分しか支払われませんでした。
被告会社からは一言の謝罪の言葉もありませんでしたし、長い間のいろいろな差別で悔しい思いをしてきました。
私はもうこれは人権の問題であり、法のもとでしっかりと裁いてもらう以外にないと思い提訴しました。

労働者の権利や組合など認めない経営者に対し、何の罰則もない労働契約法など作っても、絵に描いたもちと同じように無意味なことです。
ましてや、入社時に書面による労働契約書など交わす会社など、ほとんど存在しないと思います。
雇用する側が一方的な条件を示し、それで良かったら採用というのが現状だと思います。
罰則規定がなければ、労働者は裁判により決着を付けしかありません。
しかし、裁判を起こしたくても起こせる人はほんの一握りの人で、実際のところ精神的・肉体的・金銭的にも多大な労力を必要とします。
違反会社に対して労働基準監督署が指導勧告でなく是正する様強要できる権限を与え、罰則規定を設けない限り、いつまでたっても労働者は雇用する側の使い勝手の良い道具にしかありえません。

 法改正に伴い、実際現場で働く人の実態や有識者等の意見を広く取り入れ、審議してくださる様、現実に即した、より良い改正法を望んでおります。


労働組合 東京ユニオン組合員 中野布佐子
                  
                                 
by chakochan20 | 2007-04-25 18:30 | 活動報告(65)

兼松男女賃金差別裁判の結審

平成19年27日(火)午後4時 東京高等裁判所101号大法廷にて

兼松男女賃金差別裁判の結審を傍聴しました。傍聴者は大法廷に入りきれず、20人以上が外で待つという状態の中、私の代理人でもある弁護士、中野麻美先生が最終陳述をしました。

女性の賃金が男性の26歳にも満たないのは、女性の働き手としての 人格的価値を貶めるものであること、さらにこの差別は年金へも影響し、女性が生涯にわたって生着ていく経済的基盤において受ける差別であること。働き手であるすべての人にとって自分の労働が認められる「自尊」、自分には価値があるということが認められるのが公序であることを ロールズ(政治哲学や経済倫理学の基礎を築いた人)の理論から訴え、この事件は女性であるがゆえに「補助の烙印」という明白な差別の違法性を、「偽装されたコース制」で隠蔽しようとするものだと朗々と述べられました。

裁判長は「この事件は双方にとって大事な事件だから慎重に審理したい」として、判決の日は追って裁判所から連絡するということになりました。

あとの報告会で、「裁判しながら仕事と家庭を抱えた15年であった」こと、「弁護団も原告たちに鍛えられた」ことに触れたとき、あの気丈な中野先生が涙で絶句され、長く差別されてきた働く女性たちに対する先生の熱い思いに深い感動を覚えました。1日も早く良い判決が出ることを願っております。又、この裁判は後に続く女性たちのためにも、絶対に勝たねばならね事件です。

以下は麻美先生の意見陳述書です。

               意見陳述              

原判決は、本件賃金格差が女性に対する差別によって生じたことを認めている。この差別によってもたらされた格差は、女性の賃金がどれだけ勤務を重ねても27歳から26歳の男性の賃金を下回る水準に過ぎないことに象徴されるように、女性の働き手としての人格的価値を貶めるものであった。しかも、この格差は年を追うごとに拡大しており、長期にわたって働き続けてきた控訴人らにとって、越えることのできない男性の賃金年齢は、年を追うごとに低年齢化してきた。控訴人らは、生きていく経済的な基盤を差別によって否定されるという賃金差別によって、何にも耐えがたい屈辱を強いられてきた。
そして、この差別は、年金にも反映するという点で女性が生涯にわたって受けることになるという、生きる基盤における差別でもある。原判決は、控訴人らが採用されてから90年代に至る過去の違法ではない差別ゆえに今日に至る差別も違法ではないとするものであるが、これは、1997年以前に就職しなければならないような年代に女性として生まれた以上、差別を受入るよう宣言するに等しく、将来にわたって差別による不利益を耐え忍ぶことを強いるものである。会社は差別意図などない、格差は解消しているとして、社員の人員構成を示してみせているが、これがいかに事実を歪曲する主張立証であるかは、比較する母集団の恣意的な設定や事務職には女性しかいないこと、しかも均等法以前に入社して長年勤務を継続してきた女性はほとんど事務職に塩漬けされていることをみても明白である。


差別は法的にも人間としての尊厳を否定するものであるとされているが、これは単なる机上の理論ではなく、差別がフラストレーションや心理的葛藤を高めるものであること、行動や思考の自由を抑制し、自己評価を低め、人間としての当たり前の自信や誇り、生まれてきてよかったと思えるような自己肯定観を奪うものであることは社会共通の認識になっている。被控訴人会社が行ってきた賃金差別は、そうした性質を有するものであり、しかも被控訴人会社は、この差別を合理的なものであるとする弁解のために、控訴人らの仕事を「単なる補助」「取次ぎ」「インプット」に過ぎないものであるとして法廷における主張立証においてさらにその差別を上塗りした。このような訴訟態度こそ、糾弾されなければならない。


企業の効率的運営と当時の一般的な女性の就業実態という生の事実を根拠に男女差別を違法ではないとした原判決は、きわめて不当なものであり、わが国はもちろん、広く国際社会においても容認されるべきではない。原判決には、そもそも社会において追及しなければならない法的規範、社会的価値、そして経済社会において承認されるべき倫理が忘れられている。
政治哲学や経済倫理学の基礎を築いたロールズは、すべての人々に対して「自尊」または「自尊の社会的基礎」が配分されなければならないとしている。この自尊とは、自分には価値があるという感覚、自分が善いと考えることや人生についての自分の意志は実行するに値するという確信を意味するものであって、ロールズはこれを「最も重要な基本財」であるとした。働き手であるすべての人々にとって、自分の労働が公正に認められること、自分が役に立っているという確信を必要としているのであり、それは経済社会における公序を構成するというべきである。
公序を原判決のように裸の事実によって判断するのであれば、差別が強固なほど違法ではないという矛盾を犯すことになってしまうが、このようなことを法が容認できるものではない。


本件は、女性であるがゆえの低い賃金と、女性であるがゆえに労働に対して加えられた「補助の烙印」という明白な差別の違法性を、偽装されたコース制によって隠蔽しようとしたというものである。そして、労働関係の実態を前提にすれば本件コース制度が偽装されたものであることは明白である。既に国際社会においては隠れた差別を可視化して排除する制度を確立していた1980年代に、控訴人らが受けてきた可視化された明白な差別さえ違法と断罪できないとした原判決の誤りは明白である。女性差別撤廃の流れに棹差す判決を切に要望する次第である。
by chakochan20 | 2007-03-28 11:09 | 活動報告(65)

「日本は残業大国」

2月8日付け朝日新聞朝刊掲載によると、現在残業代は1日8時間を超えると平日で基本賃金の25%増し、休日は35%増しである。それを改正案で、80時間までは現行とおり、25%増し、それを超えるものは50%増しにする。
しかし、これは努力義務であって、法的には何の拘束力もない。
80時間を超える残業代を支払う企業は果たしてどのくらいあるのだろうか。
現に朝日熱学などは月40時間を限度に、後はいくら残業しようとも残業代は支払われない。サービス残業である。
先進国の中でも日本の労働時間は飛び抜けて長い。国際労働機関(ILO)の2004年発表の国際比較データでは、2000年に週50時間以上働く人は日本が28.1%、仏独は5%台。一番少ないオランダなどは2%台である。

過労死、うつなどの精神障害の認定も増えている日本の現状である。
穴だらけの法規制で残業は本当に減るのでしょうか。
そんな中、労働政策審議会分科会委員、奥谷禮子氏(人材派遣会社ザアール社長)が「過労死するのはは本人の自己管理の問題」と発言しました。

以下は朝日新聞記載文(2007・2・8付)
『週刊誌インタビューなどでの発言をめぐって、7日の衆院予算委員会で論議があった。
民主党の川内博史議員が「あまりの暴言だ」と指摘。柳沢厚労相も「まったく私どもの考え方ではない」と防戦に追われた。
奥谷氏は、一定条件を満たした会社員を労働時間規制から外す「ホワイトカラー・エグゼンプション」(WE)の積極推進論者。労働時間規 制をなくせば過労死が増えるとの反対論に対し、経済誌「週刊東洋経済」1月13日号で、「経営者は、過労死するまで働けなんていいません。過労死を含めて、これは自己管理だと 私は思います」などと反論。また「祝日もいっさいなくすべきだ」「労働基準監督署も不要」とした。労政審分科会でも「労働者を甘やかしすぎ」などと発言している。
奥谷氏は朝日新聞の取材に対し、「発言の一部分だけをとらえた質問は遺憾だ。倒産しても、会社は社員を守ってくれない。早くから自律的な意識をもつべきで、労働者への激励のつもりで発言した」と話した。』

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by chakochan20 | 2007-02-08 22:00 | 活動報告(65)

「均等待遇を実現できるパート法を!」

2月7日12:00~13:30、参議院会議室で、均等待遇アクション21主催の「均等待遇を実現できるパート法を!」の院内集会が行われました。
国会議員は、民主党の西村智奈美さん、郡和子さん、社民党の福島瑞穂さん、共産党の吉川春子さん、他女性議員10人ちかくの秘書さんたちの参加。
京都や名古屋からのパートさんも参加し、現場の生の声、実態を議員さんたちに訴えました。

今度の国会に出されているパート労働法は、
① 職務同一短時間労働者であって
② 期間の定めのない労働契約を締結していて
③ 職業生活を通じた人材活用の仕組み、運用などが同じものは
 均衡処遇にするという 極めてハードルの高いもので、はたしてここに該当するパートは何人いるでしょうか。
これでは、パートの差別拡大法になってしまいます。

パート労働者が1200万人以上のうち、女性が7割、女性への間接差別に繋がります。
パートの人たちは有給休暇も忌引き休暇もありません。 従って、こうした集会に参加することも難しく、しかもパート労働者の8割が有期契約です。
中島通子弁護士が、パート法ができて、それまで無期契約のパートが多かったのに、有期が増え、法律によって悪くなってきた実態があると述べておられた。
誰のための法律なのか? 
ワーキングプアーで、結婚も出来ず、ましてや子供を生み育てることなど夢の夢。
ますます格差社会は広がり、少子化は加速していくことでしょう。
低賃金で使い捨て労働を強いる我が国には未来はありません。
by chakochan20 | 2007-02-07 20:18 | 活動報告(65)

働く女性の全国センター(ACW2)発足パーティ

1月20日、「働く女性の全国センター(ACW2)」の発足イベントが開催され、190人もの方々の参加で立見席もでるほど熱気の溢れるほど大盛況でした。
当日66名の方が新入会し、ACW2は250名の会員になりました。
伊藤みどりさんの挨拶にあった「ひまわり型のつながり(ネットワーク)」一人ひとりが孤立しやすい社会の中で「ACW2」を一つの軸として、様々な女性がつながっていく事と思います。
TBSのニュースでも報道され、インタビューでの声に見られますように、若い方々の参加が目立ちました。
 「一人じゃないという気持ち、それが大事だと思います」
 「みんなが一緒の気持ちになって何か出来たらいい」
 「私たちの世代でも考えていかなければならない問題だと思っているので参加しました」(参加者)
私も3分間スピーチに挑戦し、長い間の朝日熱学の男女差別の人権侵害を訴えました。

働く女性の全国センター(ACW2)/"target="-blank">http://acw2.org/
by chakochan20 | 2007-01-21 22:31 | 活動報告(65)

男女同一価値労働同一報酬


by chakochan20
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