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「母さん、ありがとう」-朝日新聞「ひととき」欄より

下記は埼玉県春日部市在住の宮下真理子さん(無職57歳)の投稿です。

【昨年亡くなった父に続き、今年に入って母が亡くなりました。脳性まひのため手足が不自由な私を買い物、旅行、観劇と、どこへでも連れて行ってくれる、そんな母でした。
 東京で生まれ養護学校卒業後、授産施設に5年間いました。初めての給料(1日100円)で財布をプレゼントしました。とても大切に使ってくれました。何もかも人の手を借りなければ生きていくことが出来ない自分が嫌になり、死を考えたこともありましたが、一生懸命に愛情を注いで育ててくれる母には何も言うことが出来ませんでした。
 先日、遺書が見つかりました。「健康な体に生んであげられなくてごめんなさい」と言う内容でした。最後に「ありがとう」と結んでありました。
 たった一人になってしまったけれど大丈夫だよ、母さん。ヘルパーさんや近所の皆さんに支えられて生きていけそうだから。天国で見守っていてくださいね。
 私は母さんの子どもでよかったと思っていますよ。今度生まれてくる時も、母さんの子がいいな、ただし、五体満足でね。そしたら親孝行いっぱいいっぱいするからね。
 ねえ、聞いている、母さん。いま星が光ったよ、あれはあなたなのかな。
 そして私は今、生きている意味を探し続けています。あなたを思いながら。】

宮下さんの優しく、素直な心に打たれ、読んでいて涙がとまりませんでした。
それに比べ、秋葉原無差別殺傷事件の加藤容疑者のように、五体満足でありながら、自分だけが被害意識が強く、何の罪のない他人を巻き添えにする。この差は?
いろいろな障害を持った人に比べれば、少々頭が悪かろうが、顔が悪かろうが、健康であることに感謝をし、生きなければ罰が当たる。
人間は、皆崖ぷちのぎりぎりのところに立っており、今五体満足でもいつ其の崖より落ちるかは神のみぞ知るところ。其の緊張を感じつつ、日々感謝をして暮らすことを忘れてはいけないと思う。
by chakochan20 | 2008-06-28 11:30 | ニュース(155)

男女同一価値労働同一報酬


by chakochan20