第10回ジェンダー法学会シンポジウムのご報告

「東アジアにおけるジェンダー法学の展開と課題」で中国・韓国・台湾の各大学教授からの興味ある話があった。

・中国では大多数の法学部にジェンダー関連の科目もなく、研究者も少ないとのこと。
女性の労働権では人材募集・職業訓練・リストラ等において差別され、未だ男女別の定年制も存在している。
「女性の婚姻家庭における権利」では婚姻法で結婚前に男性が家を買うに当って、(家がないと結婚は出来ない)頭金は男性が払う。従って所有権は男性。ローンは男女共に支払っていく。婚姻生活が上手くいかなくなり離婚という事になると女性が支払った金額は男性が返すが、家そのものは男性のもの。家具等は女性が揃えるが年数と共に減価償却があるので価値はなくなる。
まだまだ多くの面で日本以上にジェンダー問題に関しては遅れていると思う。

・台湾ではジェンダー法学課程が各大学で実施されているが、ジェンダー法学の研究所は設立されていない。ジェンダー法学の論文は数の上では一応の成果がだされているが、必ずしもジェンダー法学に関するコースなど、系統的な学習をした状況下で、書き上げられた物ではないとのこと。
1979年に国連が採択した女性差別撤廃条約は、150カ国余りの国で批准されているが、台湾は今も国連に加盟できていない。2007年この条約に調印しようとしたが、パン・ギムン国連事務総長に受け取り拒否された。
2011年6月8日に一方的に「女性差別撤廃条約施行法」を交付し、ジェンダー主流化を進めることにし、2012年1月1日から実施されている。
ジェンダー法学は新興の学術領域であり、教師の多くも台北市、新北氏を中心とした北部の地域に集中しているのが現状。

・韓国ではジェンダー法学会が2007年創立、会員数が240人。内40人が大学教授・法律家等の男性会員。既に40回の会議も行われている。

「公職のおける女性人材活用政策」では
1)政府は、助成が公務員に任用される機会を拡大する為に2003年から2012年までには公務員のジェンダー不均衡を解消する為に、女性と男性の合格者比率が30%未満の際に、目標比率に達するまで、定員外として追加合格させる公務員の両性採用目標制を実施。
2)各種の政府委員会の女性参加比率を最小限40%に引き上げるための女性委員の参与目標制を1997年から実施。

「政党の女性公薦割当制」では
1)政党が比例代表国会議員および比例代表地方議会議員選挙に候補者を推薦する際には、その候補者の中、推薦の50%以上を女性にするが、その候補者名簿の順位の奇数ごとには女性を推薦しなければならない。これを受け、各政党の比例代表公薦候補者の中、第一順位は女性になり、女性の当選可能性が高くなった。
2)政党が地域区国会議員選挙及び地域区地方議会議員選挙(直接選挙)に候補者を推薦する際には、各々全国地域区総数の30%以上を女性に推薦するよう努め名ければならない。
3)政党が地域区地方議会委員選挙に候補者を推薦する際には、基礎議員選挙又は広域議員選挙の中、いずれかの選挙に国会議員選挙区ごとに、1名以上は女性を推薦しなければならない。政党がこれに違反して候補者を公薦する場合、その候補者の登録は無効となる。
4)「政治資金法」に寄り、政党が受ける国庫補助金の中10%以上を、女性の政治発展の為に使用しなければならない。また、政党が地域区選挙の公薦者の5%以上を女性に推薦すれば、公薦比率によって女性推薦補助金を支給されるが、その比率は女性候補者の選挙経費に使わなければならない。

  以上の事柄から2012年上半期においては3つの政党代表が全員女性であって、昨日19日に実施された大統領選挙は、候補者7人の内4人が女性である。
与党セヌリ党のパク・クネ氏が民主統合党の弁護士ムン・ジュエン氏を破り初の女性大統領が誕生した。
韓国でも貧富の格差が広がり、若者層を中心に支持を受け革新政策を掲げたムン氏だったが、急激な変化を望まない保守政権に敗れてしまった。日本も自民党政権に戻ったが、冷え切った韓国との関係を何処まで修復できるのであろうか。
  労働問題でも日本での企業内御用労働組合の失敗を教訓に、産業別労働組合を取り入れ、ここ数年で大きく差を付けられてしまった。
  昨日も厚生労働省の労働政策審議会雇用均等分科会に傍聴参加したが、労働者代表である連合の方々の迫力に欠ける意見陳述には、毎度の事ながらがっかりしてしまう。これでは使用者側の有利な事案に傾きかねない。政府も企業内御用労働組合である連合だけを招致しないで、他の労働組合も参加させるべきと思う。
by chakochan20 | 2012-12-20 13:30 | 活動報告(65)

男女同一価値労働同一報酬


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