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国連社会権規約委員会の最終所見

社会権規約委員会とは人権を保障するための国連の条約「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)」の締結国を対象に、定期的に見解をまとめている。4月30日、ジュネーブで第3回・日本政府レポート審議会が開催され、日本政府と市民団体双方から意見を聞いた上で、発表。法的な拘束力はないが、政府は誠実に受け止める義務が生じる。
WWN幹部たちは中国電力男女差別裁判の原告、ハローワク有期雇用の雇い止めの原告、プラダジャパンセクハラ裁判の元原告たちと共に議会傍聴とロビイングに参加。

最終所見では、
①女性を差別するコース別制度、妊娠を理由とする解雇などを廃止する
②ILO111号条約の批准を検討するという勧告を再度行う
③有期雇用の濫用を防止する。有期雇用労働者の契約が不当に雇止めにならないよう労働契約法の執行をモニターする
④男女間の賃金格差が相当あることを懸念
⑤同一価値労働同一報酬について適用できる立法の実効的な執行を確保する
⑥セクハラが法的に禁止されていないことを懸念  

詳細は以下の通り。岡田 仁子訳(アジア・太平洋人権情報センター)
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13. 委員会は、締約国において根強く残るジェンダー役割に関するステレオタイプが依然として女性の経済的、社会的および文化的の平等な共有を妨げ続けていることを懸念する。委員会はまた男女共同参画基本計画が続いて採択されるなどの措置にも関わらず、社会全般におけるジェンダー役割に対する態度の変化を目指した十分な措置はないことを懸念を持って留意する。さらに、委員会は締約国の称賛すべき努力にも関わらず、労働市場における依然として際立った垂直及び水平分業や出産後仕事を辞めてパート・タイム労働に移らなければならない女性の割合が高いことなどが示すように、進展が遅いことを懸念する。第三次男女共同参画基本計画においてとられた締約国の控えめな目標は、規約の権利の行使において平等の達成を促進せず、委員会は遺憾に思う。(3条)

委員会は締約国に以下のことを促す。
(a) 社会のジェンダー役割の考え方を変えるための啓発キャンペーンを行う
(b) 伝統的にいずれかの性別によって占められる分野における教育を促進するために女の子と男の子に平等なキャリアの機会について教育する
(c) 男女共同参画基本計画において、男性女性両方を対象としたより大胆な目標を採択し、教育、雇用および政治・公的な意思決定の分野においてクオータなどの暫定的措置をとる
(d) 女性を差別するコース別制度、妊娠を理由とする解雇などの慣行を廃止する
(e) ゼロ待機児童達成を促進し、保育を容易に使えるようにすること

委員会は、対話の際に政府代表団が述べたように、規約の権利の享有について、性別、所得水準及び学歴に分類された統計データを次回定期報告に含め、そのデータがジェンダーの平等について政策決定に役だったかを説明するよう要請する。

(略)

15. 委員会は締約国に雇用及び職業における差別に関する
ILO111号条約の批准を検討するという勧告を再度行う。

16. 委員会は、締約国による雇用者に対する雇用契約の性質に関わらず、同じ評価や資格制度を使うことを促す優遇措置にも関わらず、雇用者による有期雇用の濫用ならびにそのような契約労働者が不利な労働条件に陥りやすいことを懸念する。委員会はまた、改正労働契約法に導入された、有期契約の無期契約への転換を更新しないことで回避する事例を懸念する。(6、7条)
委員会は締約国が、有期契約に適用される明確な基準を設定することなどにより有期雇用契約の濫用を防止する措置をとるよう勧告する。締約国の同一価値労働に対して同一報酬を確保する義務に言及し、委員会は財政的優遇措置が締約国に有期雇用労働者の不平等な取扱いを防止する目的を達成しているかどうか締約国がモニターするよう勧告する。
さらに、委員会は締約国に、有期雇用労働者の契約が不当に雇い止めに成らないよう防止するために労働契約法の執行をモニターするよう呼びかける。

(略)

19. 委員会は、進展があったにもかかわらず、特に男女間の賃金格差が締約国において相当あることを懸念を持って留意する。(7条)

委員会は同一価値労働に対して男女で異なる賃金レートを適用することの違法性について、またこの点に関する雇用者の義務について啓発するよう、また報酬の差別に関してアクセスが容易で実効的な救済を提供するよう呼びかける。委員会はまた締約国が同一価値労働同一報酬の原則の適用について労働基準監督官の研修を行い、適用できる立法の実効的な執行を確保するための他の措置をとるよう勧告する。

20. 2006年雇用機会均等法改正以降、セクシュアル・ハラスメントに関する職場の意識が向上したことに留意する一方、委員会は同ハラスメントが法的に禁止されていないことに懸念をもって留意する。(7条)

委員会は締約国にセクシュアル・ハラスメント、特に職場における同ハラスメントを、その重大さに応じた処罰を伴う違反として立法に導入するよう促す。委員会はまた締約国が、被害者が報復をおそれずに申立てできることを確保するよう勧告する。委員会は締約国がセクシュアル・ハラスメントに対して引き続き啓発を続けるよう勧告する。

(略)
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社会権規約の最終所見の日本語訳は下記へ。
http://www26.atwiki.jp/childrights/pages/234.html 平野裕二氏訳
by chakochan20 | 2013-05-25 10:35 | ニュース(155)

男女同一価値労働同一報酬


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