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明けましておめでとうございます

 中国電力男女賃金差別裁判の長迫さんのケースが1月1日ニューヨークタイムズ紙に掲載されました。

 記事は安倍政権の女性政策が不十分であることの批判と、日本の企業文化の根深い男女差別の構造をテーマにしており、長迫さんの裁判はその例として取り上げられ、日本の経済成長には完璧な女性(母親)が必要という,アベノミクスと現政権の女性活用政策が不十分であると批判した記事です。

 安倍首相は、少子化と労働力不足に対応するための経済政策として、女性に、収入が安定した仕事を持ち、一人以上の子供を産む事で、女性がほしいものを全て手に入れることを促進し、それによって社会の女性進出と経済成長が進展するとしているが、このような首相の約束は当てにならないとしている。安倍首相は男性中心の長時間労働慣行を是正すべきで、首相自身の自民党でさえ女性リーダーは出ないだろうとしている。
 アメリカもヨーロッパも日本と類似した問題に直面しているとしながらも、日本のジェンダーギャップはより深刻で、女性が結婚して仕事を辞めて低賃金の仕事につくというパターンが続いているため、女性は男性より40パーセントも所得が低いし、指導的地位にいる女性も男性の十分の一にすぎないと指摘。
 さらに、安倍政権の現政策も簡単に紹介しつつ批判。安倍首相も女性労働力を活用しようとしているが、産休を3年にしようとしたり(してもあまり意味がない)、400,000の待機児童解消や、ナニーや家政婦等を増やすための移民政策の制限緩和、税金控除の変更、指導的地位の女性を3割に増やすことを遂行しつつあるとしている。しかし、企業の改革は自主努力レベルで3600の80パーセントの企業では女性の指導者がいないとしている。日本企業は変化しつつあるが、もっと手厳しくしても良いだろう、としている。

 長迫さんについては、このジェンダーギャップの日本企業の更なる変革の必要、というタイムズ紙の主張の重要な締めくくりの例として紹介されている。
 長迫さんは中国電力を性差別で管理職への昇進から退けられたと紹介。職場において、同様の経験と教育レベルを持った男女で、男性の三分の二は管理職に昇進しているが、女性の場合には、管理職になっているのは12パーセントにすぎない、と紹介。
 このような男女の差は、志の違いによるもので、男性ほど長時間労働や責任のある仕事をしたい女性がそもそも少ないと中国電力は説明していることを紹介。最後には、「人事の政策は紙面上は中立に見えるが、実際誰が昇進するか既に決められているようなところがある。男は外、女性は家を守るという偏見があり、女性であればそれが理由で最初から昇進で大幅に不利になる」と長迫さんの言葉を引用して、日本企業の根深い男女差別の構造を暗に批判しています。

http://www.nytimes.com/2015/01/02/business/international/in-economic-revival-effort-japan-turns-to-its-women.html?_r=1

 年の初めに、天下のニューヨークタイムズに取り上げられたことは、幸先良いことです。
この裁判も最高裁に上がってから1年半、シカゴ大学社会科学部の山口一男教授や一橋大学大学院法学研究科(労働法・ジェンダー法)の相澤美智子准教授の意見書も提出され、最高裁判所の良識ある判断を待ちたい思います。
 相澤先生の意見書全文は、労働法律旬報の2015年1月合併号に掲載される予定ですので、ご関心おありの皆さまには、是非、意見書全文をお読み下さい。
by chakochan20 | 2015-01-04 10:22 | お知らせ(150)

男女同一価値労働同一報酬


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