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政府への個人通報制度(選択議定書)に関しての要請文

12月1日、ヒューマンライツ・ナウの事務局長 弁護士伊藤和子手配にて、SEDAW委員の林陽子氏たちは政府へ個人通報制度(選択議定書)に関し要請文を提出。
参加団体は19であり、WWNも連名した。
林委員他NGOの方々(反差別国際運動、監獄人権センター、人権市民会議、国際人権活動日本委員会)が、黒岩法務政務官へ提出したが、彼の話では、千葉大臣当時よりかなり後退した印象を受けたとのこと。
先日のJNNCの院内集会でも、外務省が人権条約履行室を立ち上げたというが、迷走する現政権はどこまで本気で取り組む気があるのか疑問である。
SWDAWへの政府の回答書期限が後一年と迫っているのに、少しも動きが見えない。

下記はその要請書である。

                                            2010年12月1日

内閣総理大臣 菅  直人  様
官房長官   仙谷 由人  様
法務大臣   仙谷 由人  様
外務大臣   前原 誠司  様

           
                         要  請  書

私たちは日本において人権擁護のために活動するNGOとして、以下の通り要請いたします。

                         要 請 の 趣 旨

1自由権規約の第一選択議定書、女性差別撤廃条約選択議定書の批准承認を次期通常国会に求めること
2人種差別撤廃条約や拷問等禁止条約などの国際人権条約に定める個人通報制度の受諾宣言を行うよう次期通常国会に求めること

                         要 請 の 理 由

「人権条約選択議定書を批准する」との公約を掲げた民主党を中心とする政権が発足してから、1年以上が経過しました。私たちは、政府に対し、主権者の期待に応え、人権に関する公約を直ちに進めること、具体的には次期通常国会で上記人権条約の個人通報制度を実現するために、必要な措置を直ちに講じることを求めます。
日本の人権状況と国際的な人権スタンダードに大きな乖離があることは、自由権規約委員会、女性差別撤廃委員会、拷問禁止委員会、人種差別撤廃委員会等の人権条約機関による定期審査のたびに、日本の人権状況の改善を求める勧告が数多く出されていることからも明らかです。これらの勧告の中には、取調べの全面可視化を含む刑事司法制度の改革、代用監獄による起訴前勾留の改善、死刑廃止も含む死刑制度の抜本的見直し、民法の婚外子差別や女性差別規定の解消など、長年にわたり条約機関から勧告を受けながら、何ら改善がみられない課題が少なくありません。
2008年の人権理事会の普遍的・定期的審査においても、日本は各国から様々な指摘・勧告を受け、日本政府はその一部について勧告を受諾し実行することを約束しましたが、その実現も遅々として進んでいません。
人権条約の個人通報制度を受け入れ、日本の人権状況の個々の事案について国際人権条約の基準によりレビューする道を開くことは、こうした国際水準と日本の人権状況の深刻なギャップを解消し、日本の人権状況を抜本的に改善するために極めて重要です。日本人が「内向き志向」を克服して国際的な観点から物事を考える習性を培い、国を国際的に開かれたものにすることにもつながります。
個人通報制度の実現により、人権を侵害された個人が人権条約機関に直接救済を求める道を開くことは、国内で生活する市民の人権救済を前進させるとともに、条約機関の判断を通じて、司法・行政・立法政策をより人権に適合的に前進させるために積極的な意義を有しています。条約機関の判断は、法的拘束力はないものの、ともすれば硬直した日本の司法判断に国際人権法の観点から再考を迫り、司法判断を発展させる重要な役割を果たすはずです。
既に自由権規約を批准した167か国中、113か国が選択議定書を批准し、女性差別撤廃条約を批准した186か国のうち、100か国が選択議定書を批准し、カンボジアが100番目の批准国となりました。隣国である韓国をはじめアジア諸国でも個人通報制度を受け入れる国々が増えており、日本はアジアの中ですら人権先進国といえない状況になりつつあります。
個人通報制度を受け入れることは、人権の観点から国を開き、日本が国連人権理事会の理事国としてふさわしい役割と責務を自ら果たすために不可欠です。
外務省は10年以上にわたり、各省庁を集めて個人通報制度についての「研究会」を国民から閉ざされた場で行い、市民に成果を還元しませんでした。本年5月には外務省内に人権条約履行室が発足しましたが、事態はいまだに前進しておらず、政治的イニシアティブによりこれを打開することが求められています。
よって、私たちは、次期通常国会において、自由権に関する包括的な条約である自由権規約の第一選択議定書の批准承認をはじめとする、上記4条約の個人通報制度実現にむけた国会承認に必要な措置を直ちに講じるよう、要請します。

【要請団体】
特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ  
国際人権活動日本委員会(JWCHR)
人権市民会議  
反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)
特定非営利活動法人 監獄人権センター    
社団法人自由人権協会
アジア太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 
ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク(WWN)    
女性差別撤廃NGOネットワーク(JNNC)
国際女性の地位協会      
全国フェミニスト議員連盟 
「婚外子」差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会   
戦時性暴力問題連絡協議会 
スペース・アライズ    
DPI女性障害者ネットワーク 
選択的夫婦別姓の会・富山(ななの会)  
女性自衛官の人権裁判を支援する会 
男女平等をすすめる教育全国ネットワーク
                     (19団体)
by chakochan20 | 2010-12-08 13:36 | お知らせ(149)

男女同一価値労働同一報酬


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