女性差別撤廃委員会総括所見

CEDAW/C/JPN/CO/6
2009年8月7日
原文:英語
未編集版

(抜粋・仮訳)
女性差別撤廃委員会
第44会期
2009年7月20日—8月7日

女性差別撤廃委員会総括所見
日本

主な懸念事項と勧告
13. 委員会は、条約のすべての規定を体系的、継続的に実施する締約国の義務を想起し、本総括所見にあげられる懸念事項および勧告が、現在と次回定期報告の提出の期間中、締約国の優先的配慮を必要とすると考える。したがって、委員会は締約国に、実施の活動のなかのそれらの分野に焦点を当て、行った活動と得られた成果を次回定期報告に報告するよう促す。締約国に、本総括所見の十分な実施を確保するために、これをすべての関連する省庁、国会、司法に提出するよう求める。

差別的法規
18. 委員会は、締約国に、婚姻最低年齢を男女とも18才とし、男性には要求されず、女性だけに要求される再婚までの6ヶ月の待機期間を廃止し、結婚した夫婦の姓の選択を認める制度を採択するよう、民法を改正するために直ちに行動をとるよう促す。さらに、民法および戸籍法における婚外子およびその母親を差別する規定を廃止するよう締約国に促す。委員会は、条約のもとで締約国が負う義務が、世論調査の結果にのみ左右されるのではなく、条約は国内法制度の一部であるので、国内法を条約の規定に沿って整備する義務にもよるものであると指摘する。

条約の法的地位と可視性(見えやすさ)
19. 委員会は、条約が締約国において、拘束力のある人権条約として、そして女性に対するあらゆる形態の差別撤廃と女性の前進の根拠として中心的な重要性を与えられていないことを懸念する。この関連で、憲法98条2項は、批准され、公布された条約は締約国の国内法の一部としての法的効力があると規定するが、委員会は、条約の規定が自動執行性を有さず、裁判において直接適用されないことを懸念する。

20. 委員会は、条約を、女性に対する差別の撤廃の分野において最も適切で、広範で法的に拘束力を持つ国際条約であることを認めることを締約国に促す。委員会は、締約国に、条約を国内の法制度において十分適用可能にし、その規定を、適切な場合には制裁の導入を含め、国内の法律に十分取り込むことを確保する措置を直ちにとるよう促す。また、締約国に、条約の精神、趣旨および規定が周知され、司法過程において活用されるよう、裁判官、検察、弁護士に対して条約および委員会の一般的意見に関する認識を向上させる努力を拡大するよう勧告する。さらに、締約国に、公務員に対して条約およびジェンダーの平等に関して、認識を一層向上させる措置をとり、能力開発プログラムを提供するよう勧告する。締約国が、選択議定書の批准に向けた検討を続けるよう行った勧告と、選択議定書のもとで利用できるメカニズムが、司法による条約の直接適用を強化し、女性に対する差別を理解することを助けるという強い信念を繰り返す。

差別の定義
21. 憲法が男女の平等の原則を掲げることに留意しながらも、委員会は、国内法における条約の直接で明白な受容と条約の1条に基づく女性に対する差別の具体的な定義がないことを懸念する。2006年に改正された男女雇用機会均等法(雇用機会均等法)がそのような定義を取り入れず、間接差別の狭い定義を導入したことを遺憾に思う。公的および私的領域両方における、直接および間接差別両方を含む女性に対する差別の定義に特定した規定がないことは、締約国における条約の十分な適用の障害となることを想起する。
22. 委員会は、締約国に、条約および条約の1条に含まれる女性に対する差別の定義を国内法に十分に取り入れ、この点において得られた前進を次回定期報告に報告するよう求める。
      
暫定的特別措置
28. 委員会は、締約国に、条約4条1項および委員会の一般的意見25に基づき、女性の雇用、学会における女性を含む女性の政治および公的生活への参加の分野に重点を置いて、あらゆる段階での意思決定の地位に女性の代表を拡大するために数値目標や期限とともに暫定的特別措置をとるよう促す。

雇用
45. 委員会は、男女の著しい垂直・水平職業分業に反映されるような労働市場における女性の不利な状況を懸念する。委員会は、特に雇用機会均等法の下の指針の「雇用管理区分」が、雇用者に女性を差別するコース別制度を導入する抜け道を提供し得ることを懸念する。また、正規労働者の間で時間あたり32.2%という非常に大きな男女賃金格差があること、パート・タイム労働者とではさらに大きな男女賃金格差があること、有期雇用およびパート・タイム労働に女性が大多数を占めること、および妊娠・出産による違法な解雇についても懸念する。委員会はまた、現行労働法において保護および制裁が不十分であることにも懸念を表明する。特に、条約およびILO100号条約に基づく同一労働同一賃金および同一価値労働同一賃金の原則を認める規定が労働基準法にないことを懸念する。また、職場における公汎なセクシュアル・ハラスメント、および法律がセクシュアル・ハラスメントを防止することを怠った企業を特定する措置を含むが、遵守を強制するために違反する企業の名前を公表する以上の制裁措置をもたないという事実にも懸念を表明する。委員会はさらに、雇用問題に関する裁判過程が長いこと、女性に理解されていないこと、そしてそれらのことによって条約の2条(C)項が規定する裁判所による救済を得ることを妨げられていることを懸念する。
46. 委員会は、締約国に、条約の11条の十分な遵守を達成するよう、労働市場における男女の事実上の平等の実現を優先するよう促す。締約国に、垂直・水平分業両方を撤廃し、男女の賃金格差をなくすよう条約の4条1項および委員会の一般的意見25に基づき、暫定的特別措置を含む具体的な措置、ならびに妊娠・出産を理由とする違法な解雇の実行を防止する措置をとるよう勧告する。実効的な執行および監視メカニズムをつくり、女性たちに法律扶助および事件の適切な期間内の処理を含む救済へのアクセスを確保するために、公的および民間部門両方における雇用の分野での、セクシュアル・ハラスメントを含む女性に対する差別に対する制裁を設置するよう奨励する。

総括所見・フォローアップ
59. 委員会は、2年以内に第18および第28段落にあげる勧告の実施に関する書面の詳細な情報を提供するよう要請する。
by chakochan20 | 2009-08-18 14:50 | ニュース(155)

男女同一価値労働同一報酬


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